

YUKINKO are believed to be snow spirits born from the snow itself.
YUKINKO are also said to be "Yokai(monsters)" that appear on snowy days in the form of children.
YUKINKO a.k.a "YUKIWARASHI(It's mean snow child)".
YUKINKO wear a "minoboushi(It’s straw hat)" (also called "minobocchi" or "sugeboushi").
Sometimes, children wearing ”minoboushi” are called “YUKINKO” rather than spirits or monsters.
雪ん子は雪の中から生まれる雪の精と考えられています。
雪の日に現れる子どもの姿をした妖怪とも言われています。
「雪童子(ゆきわらし)」とも呼ばれることがあります。
雪ん子は「みの帽子」(みのぼっち/すげぼうし)を着ています。
精霊や妖怪ではなく、みの帽子を着た子どもを「雪ん子」と言うこともあります。

写真:武蔵野美術大学民俗資料室『民具のデザイン図鑑-くらしの道具から読み解く造形の発想-』(誠文堂新光社 2022年)
みの帽子は頭から上半身をおおうフード付きのレインコートのような形をしています。素材は一般的にはわらやスゲ、地域によってはヒロロ、タヌキランといった植物を用います。呼び方も様々で、「みのぼうし・みのぼっち・すげぼうし・ござぼうし」などがあります。雪深い地域では、昭和の中頃まで着用されていました。

写真:1950年頃の飯山市旧太田村(森山茂夫『太田の歴史』太田小学校50周年記念実行委員会 1973年)
雪深い奥信濃では、農業のできない冬季の副業としてわら細工、特に、みのづくりがさかんに行われていました。「信州ミノ」として全国に出荷されていましたが、1950年代中頃、安価で性能よいビニール製品が出回るようになると、わら製品は次第に使われなくなりました。

写真:飯山市スキー100年誌編纂委員会『飯山スキー100年誌』(飯山市 2012年)
ただ、ビニール製の雨具と比べて、結露したり蒸れたりすることがないため、奥信濃の一部の地域では、現在も重宝されているそうです(栄村誌編纂委員会『栄村誌』栄村 2022年)。

写真:飯山市富倉地区(年代不詳)前掲『飯山スキー100年誌』(飯山市 2012年)
みの帽子を実用している子どもの写真です。まさに「雪ん子」ですね。富倉地区は新潟県との県境に位置する飯山でも雪深い地域のひとつです。

写真:飯山市ふるさと館
みの帽子の実物を見たい方は『飯山市ふるさと館』(長野県飯山市飯山1434-1)をお訪ねください。わら細工も多く展示されています。

写真:栄村歴史文化館「こらっせ」
栄村「こらっせ」(長野県下水内郡栄村堺9214-1)にも県内有数の民具コーナーがあります。許可がもらえれば、みの帽子を着ることができます。

雪ん子を生みだす原料には、稲わらを練りこんだ漆喰(しっくい/生石灰)を用います。いわば、みの帽子と同じ素材です。漆喰はすべて自然にある素材からできているため、調湿に優れた建材として知られています。抗菌、防カビ、耐火、消臭などの効果があります。稲わらの漆喰をベースに白砂も少し混ぜています。現在、飯山産の楮(コウゾ/和紙に用いるアレです)を練りこんだオリジナルブレンドの漆喰を開発中です。

ひとつひとつ、手づくりをしています。季節によって、漆喰の仕上がりも異なるため…生みだされる雪ん子にもそれぞれ個性があります。木彫りではありませんが、運慶をリスペクトしています。
「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋うまっているのを、鑿と鎚の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」(夏目漱石「夢十夜(第六夜)」『四編』春陽堂 1910年)

形が整ったら、ひなたぼっこをします。奥信濃の陽ざしと風にさらされることで、雪ん子の精神が宿ると信じています。1週間ぐらいは、自然に身をゆだねてもらいます。
「雪ふれば冬ごもりせる草も木も 春に知られぬ花ぞ咲きける」(紀貫之『古今和歌集』第6巻)

よく乾いたら、絵つけをしていきます。着色にはアクリル絵の具を用います。雪ん子ですから、多少の風雨にも耐えられないといけません。けっこう手間のかかる作業です。生みだすというのは、そういうことなのかもしれません。

最後まで塗れたら完成です。なんとも言えない表情です。県内で最もプロップスを得ている雪ん子は、「雪んこそば」(桝田屋食品株式会社)に描かれている雪ん子たちだと思います。あの吹雪のなかで、ひゃーひゃー言っている表情はなかなか出せません。さすがの大先輩です。

「ひゆう、ひゆう、さあしつかりやるんだよ。なまけちやいけないよ。ひゆう、ひゆう。さあしつかりやつておくれ。今日はここらは水仙月の四日だよ。さあしつかりさ。ひゆう。」宮沢賢治「水仙月の四日」『注文の多い料理店』(東京光原社 1924年)
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